老後の一人暮らしに備えてリフォームを。費用相場やポイント、タイミングまとめ
老後を迎えるにあたって、今の家で暮らし続けることができるのかどうか不安な方は多いのではないでしょうか。今は快適な空間でも、体の自由がだんだんときかなくなると住みづらくなってしまったり、危険をもたらしてしまう可能性も。一人暮らしの場合、当然すぐに助けを呼ぶことができないので、なおさらですよね。
そんな老後のお家事情。解決には住み替えなどの選択肢もありますが、持ち家を売るのは抵抗があったり、買い換えるほどの資金は・・・という方も多いことでしょう。
そこでおすすめなのが、マイホームを老後でも安心の空間にリフォームする方法。この記事では、一人暮らしの老後に備えたリフォームの費用相場やポイントを紹介していきます。
リフォーム費用は捻出できる?老後の一人暮らしにかかる費用と補助金制度について
リフォームにあたって当然必要となるのが、お金。特に収入が年金中心となる場合、貯蓄と合わせての計画的な利用が必要となるケースも多いことでしょう。
総務省が2018年に発表した「家計調査報告」によると、高齢単身無職世帯の月々の支出は平均で16万1,995円。一方、社会保障給付による収入は11万5,095円なので、実に4万6,936円の赤字となることがわかります。
さらに、介護が必要となった場合、月々に必要な自己負担額は平均で約8万円と言われています。
リフォームにどの程度の費用をかけられるのか、あるいは賃貸への住み替えなどより安価な手段を選ぶ必要があるのか、これらの金額を踏まえて検討しましょう。
(出典元:http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/pdf/fies_gaikyo2018.pdf)
補助金制度にはどのようなものがある?
老後に備えるリフォームの場合、補助金制度を活用できるケースがあります。計画的な支出が必要な老後の生活。当然、利用しない手はありません。
補助金制度は、大きく2種類に分けられます。1つは介護保険からの補助金、もう1つが自治体からの補助金です。介護保険の補助金については、費用の7〜9割が支給されますが、支給限度基準額が20万円となっており、実際に支払われるのは14〜18万円です。手すりの取り付けや段差の解消などが対象となります。
ただし、こちらは要介護者を対象とした制度になります。事前準備としてリフォームを行う場合、対象となりません。
自治体からの補助金については各自治体によって異なりますが、例えば広島市であれば、介護保険からの補助金の補完として、支給限度基準額60万円の4〜10割が支給されます。まずはお住まいの自治体に、金額や条件、対象となる施工内容を問い合わせてみましょう。
老後に備えるリフォームとは、どんなもの?
では、老後の一人暮らしに備えたリフォームとはどんなものが挙げられるでしょうか。
身体の自由がききづらくなっても安全・快適に生活していくために、考え方として押さえておきたいのが、「ユニバーサルデザイン」と「平面設計」。
まずユニバーサルデザインとは、年齢や障害の有無にかかわらず利用しやすいデザインのこと。住居においては、安全性を高めるための「手すりの設置」や「段差のないつくり」であったり、水回りなど頻繁に使うスペースを、姿勢を曲げたりといった負担の少ない仕様に変更することなどが挙げられます。
費用相場は規模や内容によって大きく変わりますが、手すりなど簡易なものであれば数万円から。水まわりを含め本格的な施工となると、400〜500万円程度かかる場合もありますので、老後の支出や補助金制度も踏まえて取捨選択するようにしましょう。
具体的なリフォームの内容とそれぞれの費用相場については、下記の記事で詳しく紹介しています。ぜひ、合わせて読んでみてください。
次に平面設計とは、身体に負担をかけないための「簡潔な導線設計」のこと。階段の上り下りが発生しないよう玄関のある階で生活を完結できるようになっていたり、水まわりや寝室など出入りすることの多いスペースは短い導線で移動できるような設計が求められます。
こちらも費用は内容・規模によって大きく変わります。間仕切りの撤去など、簡易なものであれば20〜80万円程度。水まわりの移設などを含めた大規模なものになると、500〜1000万円以上必要となるケースもあります。
まとめ
いかがだったでしょうか?安全性も、金銭面も不安が多くなる老後の一人暮らし。リフォーム専門業者への相談の上、生活費や補助金制度を踏まえたプランを立てていきましょう。