家事がラクになる家づくり。間取りで変わる「暮らしやすい家事動線」のつくり方
「洗濯して、干して、たたんで……気づけば1日が終わってる。」
そんなふうに、毎日家事に追われていませんか?
実はその“疲れ”、性格のせいでも家事の量のせいでもなく、間取りのせいかもしれません。
家事動線とは、家の中で「家事をどんな順番で、どんな距離で行うか」を設計する考え方。
動線が整うと、1日の動きがスムーズになり、「家事に追われる暮らし」から「家事が自然に回る暮らし」へと変わっていきます。
今回は、平屋・2階建ての具体的な間取り例も交えながら、“暮らしがラクになる家づくり”を考えていきましょう。
家事動線を整えるとは、「無駄な往復を減らす」こと
たとえば、洗濯機が1階・干すのはベランダ・収納は寝室——。
こうした動線では、1回の洗濯で何度も階段を往復することになります。
住宅メーカーの調査によると、家事中の移動距離は1日平均約1.2km。
これを短縮するだけで、時間も体力もぐっと節約できます。
つまり、家事動線とは「家の中の移動効率」。
日常動作の流れをスムーズにすることで、
家事のストレスが減り、暮らしの質が上がるのです。
【間取り例①】“洗濯が1か所で完結”する家(平屋タイプ)

■ 家事動線の特徴
洗濯動線を最短にするポイントは、「洗う・干す・しまう」を一続きにすること。
たとえば、
- 洗面脱衣所に洗濯機を置く
- すぐ隣に室内干しスペース(サンルーム・ランドリールーム)
- その隣にファミリークローゼット
この3つを一直線に配置すると、洗濯物を持って移動する距離が“3歩”で済みます。
■ 実例イメージ
平屋のリノベーションで人気なのが、「脱衣室→ランドリールーム→クローゼット→寝室」を一直線につなぐ間取り。
朝の身支度から洗濯までが流れるように完結し、共働きでも「朝の家事」がスムーズに進みます。
■ リフォーム提案のポイント
・既存の脱衣所を拡張して「室内干しスペース」を併設する
・収納を“壁一面クローゼット”にして衣類を集約
・窓際にホスクリーンを設置して、天気に左右されない洗濯環境を実現
→ 動線を変えずに“空間のつながり”を生むことで、リフォーム効果が最大化します。
【間取り例②】キッチンを中心に回る“回遊動線の家”(2階建て)

出典:https://www.sommelier.nankaiplywood.co.jp/5731/
■ 家事動線の特徴
キッチンを中心に、洗面・リビング・階段・勝手口などをぐるっと回れるように設計する「回遊動線」。
たとえば、
- キッチンの裏にパントリーと洗面所を配置
- 洗面所からランドリールームへ抜けて、勝手口へ
- キッチンに戻れる回遊ルートを作る
このルートをつくることで、料理・洗濯・掃除を“同時進行”で行っても動線が重なりません。
■ 実例イメージ
共働き世帯に人気なのが、「キッチン→パントリー→洗面脱衣室→ファミリークローゼット→リビング」と一周できる間取り。
朝は朝食づくりと洗濯が同時進行でき、夜はリビングから子どもの着替えまで最短距離でアクセスできます。
■ リフォーム提案のポイント
・壁を抜いて「キッチン裏動線」を確保する
・パントリー+洗面をつなぐ引き戸で“行き止まりゼロ”に
・家族がすれ違える広さ(通路幅90cm以上)を意識
→ 「動きやすさ」をデザインすることで、家族の動線が自然に交わります。
【間取り例③】リビング中心の「家事シェア型」動線

出典:https://www.instagram.com/p/DKjv5MiPM2B/?img_index=1
家事をひとりで抱え込まないためには、家族みんなが動けるリビング中心の動線もおすすめです。
リビングのすぐ隣に“多目的家事コーナー”を設けておくと、
・アイロンがけや洗濯物たたみ
・子どものプリント整理
・在宅ワーク時の書類置き場
など、多用途に使えます。
収納・家事・くつろぎがリビングで完結することで、“家事=家族の時間”へと変わります。
動線リフォームで暮らしがラクになる
動線の工夫は、新築だけでなくリフォームでも十分に実現できます。
特に人気なのが、次のような改修です。
| リフォーム箇所 | 効果 |
|---|---|
| 洗面脱衣室を拡張してランドリールームを追加 | 洗濯動線の短縮・湿気対策 |
| キッチンとダイニングの間にパントリーを設置 | 収納動線が短縮・料理効率UP |
| 廊下にクローゼットを新設 | “動きながら片づける”流れをつくる |
| 勝手口を洗面スペースに接続 | ゴミ出し・外干し動線を改善 |
動線リフォームの最大の魅力は、“間取りを大きく変えなくても、暮らしが劇的に変わる”こと。
これは、地域密着で施工力の高いアイリフォームならではの得意分野です。
「家事がしやすい家」は、“家族が笑顔で過ごせる家”
家事動線が整うと、「やらなきゃ」と思う家事が、「気づいたら終わってた」に変わります。
暮らしがスムーズになることで、家族の会話が増えたり、自分の時間が持てるようになったり。
それは、ただの“間取り改善”ではなく、心のゆとりを取り戻すリフォームなんです。
毎日の小さなストレスを減らすことが、いちばんの「幸せのリノベーション」かもしれません。
