メンテナンスのかからない外壁とは?
住宅は、年月が経つと経年劣化が避けられないもの。外壁もその一つで、塗装が劣化してくると色が褪せてきたり、汚れがつきやすくなります。また見た目だけではなく、ひび割れが発生して雨漏りが起こるなど、家の安全性にも影響をきたしてしまうことも とはいえ、外壁は素材によって耐久性が変わります。中には、「メンテナンスがかからない」素材としてハウスメーカーから紹介されたり、知人やメディアからそのような素材の存在を聞いたという方もいるのではないでしょうか。
メンテナンスが完全に不要な外壁は存在しない!
結論から言うと、完全にメンテナンスが不要な素材は存在しません。外壁は風や雨、紫外線の影響を受けて、時間の経過とともに劣化が進みます。外壁の劣化が進むと、見た目のみならず、防水性や断熱性が低下し、建物の内部に悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため定期的なメンテナンスは外壁を保護し、耐久性を維持するために不可欠なのです。
定期的な点検やクリーニング、必要に応じた修繕や塗装などのメンテナンス作業を行うことで、外壁を健康な状態に保つことができます。 ただし、素材によっては耐久性が非常に高く、風や雨、紫外線の影響を受けづらいものがあります。中には、メンテナンスがかからないとまでは言えないものの、必要な作業が少なかったり、周期が他より長いなど、メンテナンスのコストや手間を最小限に抑えられる外壁素材も存在するのです。
メンテナンスを最小限にするなら「タイル素材」
メンテナンスの手間や費用を最小限に抑えるなら、おすすめなのが「タイル外壁」。
初期投資はやや高いものの、タイル素材自体はほぼ半永久的に使えるといっていいほど耐久性が高く、紫外線などの影響をほとんど受けません。
ただし、タイル外壁では下地や目地としてコーキングやモルタルと呼ばれる素材を使います。これらの素材は経年劣化するため、結局下地や目地のメンテナンスは必要となってしまうのです。ただし、全面塗装などの大掛かりな作業を必要とする他の素材と比べると、メンテナンスの頻度やコストを大幅に抑えられるため、長期的に見ると非常にコストパフォーマンスが高い素材と言えるでしょう。
素材の特徴
・耐久性が高い
・汚れにくく、カビや藻の発生が少ない
・色やデザインのバリエーションが豊富
メンテナンス内容(10〜20年周期)
・目地の補修
・欠損したタイルの交換(地震や衝撃などにより欠損が発生した場合)
タイル外壁の費用相場
まずタイル外壁の施工費用については、種類やデザイン、施工面積によって異なりますが、一般的には1平米あたり9,000円〜の費用がかかります。新築の場合、他の壁材と比べてトータル150万〜200万円ほど上がるのが一般的です。 メンテナンスについては、作業内容によっても異なりますが、通常30万〜50万程度に抑えられます。他の壁材の場合は100万以上かかることが多く、20年、30年と住み続けることを考えると長期的には費用も抑えられるというわけです。
そのほかの高耐久な外壁素材
サイディング外壁
素材の特徴
・耐久性が高く、メンテナンスが比較的容易
・色やデザインのバリエーションが豊富
・防水性に優れている
メンテナンス内容(10〜20年周期)
・定期的な洗浄
・塗装
・ヒビや割れの点検と修復
サイディング外壁の費用相場
サイディングの種類や色、施工面積などによって異なりますが、一般的には1平米あたり5,000円から9,000円程度の費用がかかります。 メンテナンスにおいては、洗浄や塗装などの作業が必要となり、1平米あたり1,000円から3,000円程度の費用がかかる場合があります。
モルタル外壁
モルタル外壁の特徴
・高い耐久性と防水性
・自然な風合いがある
メンテナンス内容(5〜10年周期)
・定期的な洗浄や汚れの除去
・塗装
・ヒビや割れが生じた場合には修復が必要
モルタル外壁の費用相場
モルタルの種類や仕上げ、施工面積によって異なりますが、一般的には1平米あたり5,000円程度と比較的費用を抑えやすい素材と言えます。
ただし、他の素材よりも経年劣化しやすく、短い周期でメンテナンスが必要となる傾向にあります。 メンテナンスにおいては、洗浄や修復などの作業が必要となり、1平米あたり1,000円から3,000円程度の費用がかかる場合があります。
ALCボード外壁
素材の特徴
・軽量で施工が容易
・耐久性が高く、地震にも強い
・防火性にも優れている
メンテナンス内容(10〜15年周期)
・定期的な洗浄や汚れの除去
・塗装
・ヒビや割れの点検と修復
ALCボード外壁の費用相場
ALCボードの種類や仕上げ、施工面積によって異なりますが、一般的には1平米あたり7,000円〜の費用がかかります。 メンテナンスにおいては、洗浄や修復などの作業が必要となり、1平米あたり1,000円から3,000円程度の費用がかかる場合があります。
まとめ
いかがだったでしょうか。メンテナンスが一切かからない外壁はありませんが、タイル素材であればコストや頻度を最小限に抑えることができます。サイディングやALCボードは定期的な塗装こそ必要になりますが、初期投資を抑えられ、機能性も高い素材です。
メンテナンスの頻度やコストはもちろん、そのほかの機能面や初期投資も踏まえて、最適な外壁を選ぶのがおすすめです。