自宅が水害に遭ったら?生活再建のための手順と注意点
豪雨など、いつ起こるかわからない水害。自宅が被害に遭った場合、元の生活に戻ることができるのか強い不安に駆られることかと思います。 今回は、そんな時どのような手順で生活を再建することができるのか、またその注意点を紹介していきます。
水害後の復興手順① 被害状況を写真に撮る
まずは、被害状況を写真に収めるようにしましょう。保険会社や大家、行政など、各所で手続きを行う際、必要となります。
またそのときは、下記の点を抑えておきましょう。
・被害の様子がわかる写真を撮る
・家の外をなるべく4方向から、浸水した深さがわかるように撮る
・室内の被害状況もわかるように撮る
住宅の関連会社・保険会社・行政への連絡と手続き
証拠の写真を抑えたら、関係各所や行政に浸水被害に合った旨を連絡し、それぞれの手続きを行いましょう。
まず家の施工会社や大家には、被害に合った旨に加え、おおよその浸水の深さも伝えましょう。また、火災保険や共済に入っている場合は保険金がおりる可能性があるので、担当者に連絡します。どこの火災保険に入っているかわからない場合は、「自然災害損保契約紹介センター」に問い合わせると照会することができます。
(自然災害損保契約紹介センター:0120-501331)
また、市役所や町村役場への届出も必ず行いましょう。職員による調査を経て、被害の程度を証明する「罹災証明書」が発行されます。「罹災証明書」は、のちに公的支援を受ける際に必要になります。
家具や家電を片付ける
手続きを済ませたあとは、大変ですが片付け・掃除をご自身で行わなければなりません。
まずは片付けですが、このとき捨てるもの・捨てないものの判断は注意深く行いましょう。
例えば畳やじゅうたん、布団などは再利用が難しいため捨ててしまうべきですが、ふすまや障子、トイレ、風呂釜、エアコンの室外機などは、一見汚れていても、しっかり洗い流して乾かせば使えることも。出費が少しでも減るよう、使える可能性のあるものはとっておくとよいでしょう。
床下の掃除・泥の除去・乾燥
最後に、掃除による復旧作業です。このとき、まずは床下に水や泥が入り込んでいるか、を確認します。濡れた家をそのままにしておくと、後からカビや悪臭が発生し、生活に支障が出る場合があります。
その後、泥の除去と床下の消毒に入ります。床下の泥をかき出して洗い、消毒剤を使用して消毒していきましょう。 よく使われる消毒剤としては、以下になります。
・消石灰(しょうせっかい) :湿った床下の土にまく。素手で触らない
・逆性石鹸 :水で薄めて家財や床材、手指の消毒用に使う。原液は素手で触らない
消毒剤は使い方を間違えると危険なものも多いので、必ず注意書きをよく読んで使うようにしてください。
消毒のあとは、「乾燥」させる作業が必要となります。ただし、木材に浸水した水はなかなか乾燥しません。中途半端なまま再建してしまうと、カビや腐れに繋がる危険性があります。自然乾燥の場合は最低1ヶ月は必要で、季節によっても幅があるため、送風機などを使い乾燥させるのがおすすめです。
また清掃時には、ほかにもいくつかの注意点があります。
・床や壁、天井が浸水しているときは、解体して中の泥や水を除去する必要があります。下地など、材木は使用できるケースとできないケースがありますので、建築士と相談して進めるようにしましょう
・電気設備を使用する際は、電力会社等から安全性の確認が取れてから使用するようにしましょう
・復旧作業中は、その環境上、感染症のリスクが高まります。よく手を洗い、対策を心がけましょう
清掃業者に依頼する場合の費用感は?
局地的な水害の場合は、被害の無かった地域の清掃業者に依頼するという手もあります。特殊清掃に該当するため費用は少し高くつきますが、不安な場合は専門家に依頼するのがよいのでしょう。
費用感としては、作業人件費が1日あたり約30,000円/名、床下の洗浄作業は約2,000円/平米が平均。消毒作業は約30,000円〜となります。そのほか、床の解体やカビの除去などが必要となる場合は別途費用がかかってきます。
また清掃業者に依頼した場合、後に補助金が出る場合があるので、見積書や領収証は取っておきましょう。
まとめ
恐ろしい浸水被害。我が身に降りかかった時は当然身の安全を最優先に確保した上で、「その後の生活」もやはり考えなければなりません。行政や専門家の助けを借りながら、金銭面・安全面の両軸を考え最適な手順で復旧を進めていきましょう。