火災警報器(火災報知器)の設置は義務!取り付けないとどうなる?
日本では現在、火災警報器(または火災報知器)の設置が義務化されています。火災による被害を最小限に抑え、家族の命を守るために不可欠な設備です。 しかし、義務化されているにも関わらず、まだ設置されていない家屋も多く存在するのが実情。この記事では火災警報器設置義務の概要や、取り付けていない場合のリスク、設置にかかる費用相場などについて詳しく解説します。
火災警報器の設置義務化について
日本では2006年から、消防法により全ての住宅に火災警報器の設置が義務付けられました。寝室や階段にような、火災発生時に早期発見が重要な箇所へ設置することが求められており、さらに自治体によっては、台所や居間などへの設置が条例で義務付けられていることも。
火災による死亡者数は毎年1000人以上で、その8割以上が「逃げ遅れ」によるものとされています。こうした被害を防ぐために、火災警報器の設置は義務となっているのです。
取り付けられていない家屋の数
法的に義務化されているにもかかわらず、火災警報器が取り付けられていない家屋はまだまだ多く存在しています。
2023年6月時点で、全国の設置率は84.3%。義務化以降、設置数は上昇しているものの、いまだ15%以上の住宅では設置されていないのが実情です。 その理由として、義務化されているものの「罰則規定がない」ことが挙げられるでしょう。新築時には建築確認申請の際に設置内容を記載する必要がありますが、既存の住宅については届出の必要もないため、特に法律が施行される2006年以前に建てられた住宅では設置されていないケースも多いのです。
取り付けられていないとどうなる?
罰則規定こそないものの、火災警報器が設置されていないと、命の危険に直結します。
火災は広がるのが早く、発生時に避難が遅れると、命を落とす危険が多くなります。事実、火災による死亡要因の8割以上は逃げ遅れによるもの。火災警報器が取り付けられている場合、逃げ遅れによる死亡のリスクは3分の1以下まで減らせるとされています。
実際に、火災100件あたりの死者数では、火災警報器の設置ありの場合1.6人、設置なしの場合5.7人と、顕著な差が出ていることがわかります。
特に高齢者の場合、身体的な機能低下や判断力の低下から、逃げ遅れてしまうケースが多く、火災による死亡者数のうち、65歳以上は約7割を占めています。 命を守るための備えとして、火災警報器の設置は必須の対策なのです。特に高齢の方がいるご家庭については、設置を急ぐようにしましょう。
火災警報器設置の費用相場
一般的な住宅用の火災警報器の本体費用は、1台あたり約2,000円から5,000円程度。基本的に取り付けは容易で、ドライバーがあればご自身でも行うことができるでしょう。
とはいえ、天井部分に設置することが多く、脚立を使用しての作業となるため、高齢の方などで設置が難しい場合はリフォーム業者に依頼することもできます。
業者による設置費用は警報器本体の費用に加え、1台あたり2万円程度の取り付け費用がかかる場合があります。 なお、多くの警報器は寿命が10年程度で、劣化すると正常に作動しないことがあるため、10年周期での交換も忘れないようにしましょう。
まとめ
火災警報器は、火災発生時に命を守るために欠かせない設備であり、現在の日本では設置が義務付けられています。取り付けられていない家屋はまだまだ多く、火災発生時の早期避難のために、その設置が必要とされています。
火災警報器は2,000円から5,000円程度で購入可能であり、法的な義務を果たすだけでなく、家族や自分自身の命を守るために、必ず設置しておくようにしましょう。