古民家リフォームにかかる費用と施工内容は?
昨今、注目を集めている古民家リノベーション。古くからの日本家屋を大幅にリフォームすることで、その趣を生かしたまま機能性を高めたり、現代的な空間デザインにつくりかえることができるのが魅力です。
とはいえ古民家は築年数が古いだけに、柱など家の構造部分から補強が必要な場合も多く、費用も高額になりがち。今回は、古民家リフォームにおける費用相場と、必要となる施工内容についてまとめました。
古民家リフォームに必要な費用は、最低でも300〜500万円!
古民家リフォームにかかる費用は、元の家の状態によって大きく左右されます。主な施工内容は、耐震リフォームや断熱リフォーム、水回りや暖房器具、屋根や外壁。また古民家は間取りが細かく区切られていることが多く、現代的な住み心地のよい空間とするには間取りの大幅な変更も求められます。
柱や梁などの構造部分に劣化が少なく、最低限の施工とする場合でも300〜500万円は必要。ただし古民家は基礎部分や断熱性能に大幅な補強が必要なことも多く、また水まわりや外観・間取りなどもこだわっていくと、結果的に1,000〜3,000万円ほどまで跳ね上がりがちです。
優先的にリフォームするべき箇所とは?
リフォームの幅が広い以上、予算と照らし合わせて、何を優先的にリフォームするべきかを考えリフォームプランを組み立てていくのがおすすめです。
ここでは、古民家リフォームに重要な要素を5つピックアップ。それぞれの重要性や費用感をお伝えしていきます。
耐震リフォーム
古民家は築年数が古いだけに、家を支える構造部分が劣化・破損しており、耐震性能が低くなっているケースが少なくありません。また、建築当時は現在と耐震基準が異なっているため、もともとの耐震性能にも疑問符がつく物件が多くあります。古民家リフォームにおける、最低限必要な施工の1つが耐震工事。
補強の度合いによって幅がありますが、30〜200万円程度の費用を見積もっておきましょう。
断熱リフォーム
古民家の建築当時は断熱という考え方自体がなく、かつ風通しを重視したつくりになっています。特に冬場は家の中が冷え込み、暖房費がかさんだりするケースが少なくありません。
古民家を快適な空間にするためには、断熱リフォームも重要な要素です。壁に断熱材を埋め込んだり、窓を二重サッシにするなどの施工が必要になり、内容や範囲によって費用も大きく変動しますが、相場としては300〜500万円ほど。フルリフォームすると断熱だけで1000万を超えるケースもあります。
水まわり
古民家だと、水まわり設備の利便性が低いことは想像に難くないことでしょう。和式のトイレや、給湯器のないキッチン。お風呂は狭く冷え込み、お湯を入れるのにも一苦労・・・。
現代的で快適な生活のためには、水まわりのリフォームは欠かせません。
最新のシステムキッチンやユニットバスを導入するなら、それぞれ50〜150万円ほど。トイレの全体リフォームは20〜70万円ほどが相場です。
屋根・外壁
古民家の場合、屋根と外壁はほぼリフォーム必須です。劣化が進んでおり、雨漏りが起こっているケースも少なくありません。
屋根は補修のみであれば50〜80万円程度、葺き替える場合は200万円程度。壁は補修のみであれば10〜50万円程度、新調する場合は300万円以上の費用が必要となります。
間取りの変更
間取りの変更も、古民家リフォームで行われることが多い施工内容です。襖で細かく区切られた間取りが不便であったり、導線の改善、バリアフリー化も目的として挙げられます。
これも内容によって費用に幅があり、間仕切りの壁を撤去する程度であれば一箇所あたり20〜30万円程度。ただし、つなげる部屋と部屋に、より統一感が出るように施工したり、水まわりの移管を伴う場合は費用が大きく上がります。規模にもよりますが、おおよそは100万〜350万円程度が相場と言えるでしょう。
さいごに。減税制度や補助金を活用して賢くリフォームを
このように古民家リフォームは費用がかさむことが多いですが、活用できる減税・補助金制度が多いのも魅力です。耐震や断熱リフォーム、また省エネやバリアフリー化を目的としたリフォームには所得税の減税制度がありますし、これらは自治体の補助金を活用できる場合もあります。
こうした制度を活用し、賢い古民家リフォームを。詳しくは地域のリフォーム会社に相談してみましょう。