マンションの水回りリフォーム。費用相場や注意点について
マンションのリフォームでは、「水回り設備を新しくしたい」というのが最も多いご要望と言えるでしょう。設備が老朽化してしまったり、あるいは機能性を上げたいという方も多いのではないでしょうか。
ただ、集合住宅であるマンションは、戸建て住宅にはない制約があったり、制約ゆえに費用感が変わってしまうことも少なくありません。 今回は、そんな「マンションの水回りリフォーム」にフォーカス。費用相場や注意点についてご紹介していきます。
思っているよりもかかるかも！？マンションの水回りリフォームの相場
マンションの水回りをまとめてリフォームする場合の費用は、180万〜300万円程度が相場。戸建ての場合は200万円程度に抑えられることが多いですが、マンションについてはもう少し余裕を持った予算感を持っておくと良いでしょう。
リフォーム全体で言うと、マンションは施工できる範囲が限定的なだけに、戸建てよりも費用総額を抑えられるのが一般的です。
ただし、一つの施工箇所あたりで見ると、マンションの方が割高になっているケースが少なくないのです。マンションの規約や構造によって、施工できる工事が限られていたり、防音など担保するべき機能が定められているのがその理由です。
実際に、一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会が2021年に実施した「住宅リフォームに関する消費者(検討者・実施者)実態調査」によると、マンションリフォームと戸建てリフォームでは、平均予算と実際の費用の差に大きな違いが見られました。
◆戸建てリフォーム
平均予算277.4 万円に対し、実際にかかった平均費用349.7 万円。
⇒予算を26%オーバー
◆マンションリフォーム
平均予算238.4 万円に対し、実際にかかった平均費用329.7 万円。
⇒予算を38%オーバー
どちらも予算をオーバーしていますが、マンションリフォームの場合その差が顕著であることがお分かりいただけるのではないでしょうか。 マンションリフォームは総額こそ抑えられますが、「思っていたより」高くなりがちなので、余裕を持った予算設計を心がけましょう。
マンションの浴室リフォーム
マンションのお風呂リフォームでは、戸建てよりも少しコンパクトなサイズのマンション用ユニットバスが使用されるのが一般的です。マンションのお風呂は、戸建てよりも狭いスペースに設置されていることが多く、特に天井や床下は低くつくられているため、戸建てと同じユニットバスを設置するのは難しいのです。
浴室リフォームの費用相場は50万円〜150万円程度が一般的ですが、マンションは100万円以内に抑えられるケースが多くなっています。ユニットバス本体がコンパクトなことが多く、また戸建てと異なり間取り変更の制約が多いのも理由の一つです。
詳しくは以下の記事にてご紹介しています。
マンションのキッチンリフォーム
マンションのキッチンリフォームにかかる費用は、システムキッチンの交換のみであれば50万〜150万円程度が相場。ただしレイアウトの変更を伴う場合、300万円程度と大きく費用感が上がることも珍しくありません。
特にマンションでは、給水管や電気設備の配置に制約があり、思い通りのレイアウトにならなかったり、施工方法や素材が限られてしまい費用が上がってしまうことも。
リフォーム専門業者に相談し、ご希望のレイアウトと費用感を照らし合わせてプランを練ることをおすすめします。
詳しくは以下の記事にてご紹介しています。
マンションのトイレリフォーム
トイレのリフォームは、便器の交換のみであれば10万〜20万円程度が相場です。普通便座、ウォシュレットつき、タンクレストイレ、など機能感によって費用が変わってきます。
クロスや床の張り替え、手洗いや収納の設置などトイレ全体をリフォームする場合は、施工内容にもよりますが40万〜80万程度が相場となります。
注意点として、排水方式が建物によって異なるため、対応する便器を選ぶ必要があります。
詳しくは以下の記事にてご紹介しています。
マンションでの水回りリフォームの注意点
マンションには管理規約が存在し、リフォームに関する厳格な条件が明記されています。防音対策に関する規定により、使用できる素材が制限されていたり、また原則として共用部分のリフォームが難しいため、例えば「浴室やトイレに窓をつけたい」といった要望は通らないことが多いでしょう。 マンションのリフォームでは、事前に管理規約を確認して進めるようにしましょう。
予算が足りない・・・そんなときはローンの活用も
水回りのリフォームをまとめて行う場合、数百万円の費用がかかることも珍しくありません。想定していたよりも費用がかかりそう、予算が足りないけれどリフォームしたい・・・という場合は、リフォームローンや住宅ローンの活用もおすすめです。
リフォームローンの場合、多くは1000万円程度が上限。審査が比較的通りやすい便利なローンですが、金利がやや高く返済期間も短いため、大きな額となる場合は慎重に検討しましょう。
中古マンションを購入してリノベーションする場合は、住宅ローンでまとめて借入する方法があります。また、購入時の住宅ローンが残っている場合、残債とリフォーム費用をまとめて「借り換え」する方法も。これらは住宅ローンとリフォームローンで分けて借り入れることもできますが、住宅ローンでは「金利が安い」「返済期間が長い」「借入上限が高い」「要件を満たした場合、住宅ローン控除が使える」といったメリットがあるため、使用できるケースであればぜひ検討してみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。集合住宅であるゆえに、制約も多いマンションのリフォーム。特に水回りでは、使用する商品のタイプや給水配管に注意が必要です。 また、施工内容次第では想定以上の費用がかかることも少なくないので、余裕を持った予算設計をしておくか、ローンの活用も視野に入れて検討するのをおすすめします。
