マンションで断熱リフォームはできる?施工内容と費用相場について

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マンションは戸建住宅よりも暖かい、というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。事実、建物自体の気密性・断熱性は戸建てよりも高いことが多いのですが、それでも近年、マンションの断熱リフォームのご相談が増えてきています。
特に中古マンションは断熱材が劣化してしまっていたり、そもそも入っておらず、“思ったよりも暖かくない”ということが少なくないのです。
とはいえ、戸建てよりもリフォームの幅が制限されるマンション。断熱においては、どんなリフォームができるのでしょうか。

断熱材の埋め込みはできる?

マンションリフォームの大原則として、基本的にリフォームできるのは専有部のみ。断熱リフォームの場合、断熱材を入れる施工がやはり効果的ですが、共有部分に影響しない形での施工は可能なのでしょうか?
結論、戸建てのように外壁へ埋め込むことはできませんが、室内の床や壁を剥がして断熱材を埋め込むリフォームは可能です。
この際、よく使われる方法が「乾式断熱」と「湿式断熱」です。

乾式断熱

木材で下地を造った後、発泡スチロール状の断熱板をはめ込む方法です。比較的容易に施工でき、部屋の場所に関係なく行えるため、低層階から高層階まで対応可能です。断熱材の種類が豊富なため、予算や性能に合わせて選択できるのもポイントです。

湿式断熱

木材で下地を造り、泡状の断熱材を壁内に吹き付ける方法です。断熱材に隙間できないため、より断熱性能の高いのが特徴。凹凸がある場所や入り組んだ形状でも施工が可能ですが、高層階の部屋では施工が難しい場合があります。また大型コンプレッサーを使用するため、施工中にトラックを停めるスペースが必要です。

このようにマンションでの断熱材は、部屋の配置や構造によって施工可能な工法が制限されることがあり、機能面だけで選ぶことができない可能性も留意しておきましょう。
費用は施工内容や材料によって異なりますが、一般的には1平方メートルあたり約4,000円から3万円程度が相場と言えるでしょう。

窓やドアの断熱工事はできる?

断熱リフォームでは断熱材のほかに、窓やドアを気密性の高いものに変えたり、二重窓を設置する施工も一般的です。
しかし、マンションでは基本的に、窓やドアを自由にリフォームすることができません。実は、マンションの窓・サッシ・ドアは基本的に共有部に当たるのです。リフォームの範囲は大きく制限されるため、まずは事前に管理組合に対し、規約や手続きを確認する必要があります。
とはいえその中でも、許可されることの多いリフォームはあります。まずは、「内窓の設置」。内窓は専有部と見なされることが多く、比較的自由に施工が可能。室内の熱は窓から逃げることが多いため、断熱性能の大きな向上も見込めます。費用は1箇所あたり、5万〜10万円ほどが相場となります。
また、「窓ガラスの交換」についても、他と色の異なるガラスなど景観を損なわないものであれば、基本的には許可されることが多いでしょう。複層ガラスなど、より断熱性能の高い窓ガラスへの交換もおすすめの断熱リフォームです。費用は、1箇所あたり7万〜15万円ほどが一般的です。

ドアについては、共用部のため交換は基本的に不可。とはいえ、ドアの周囲をシーリングする、断熱シートを貼るなどは実現できる可能性が高い施工です。こちらもまずは一度、管理組合に確認してみるのをおすすめします。

補助金制度の活用

マンションの断熱リフォームには、各自治体や国からの補助金が利用できる場合があります。具体的な補助金の内容や申請方法は自治体によって異なりますので、詳細については各自治体のホームページなどで確認するようにしましょう。また、リフォーム業者によっては補助金の申請手続きを代行してくれる場合もありますので、相談してみることをおすすめします。

まとめ

いかがだったでしょうか。共有部との兼ね合いもあり、制限の多いマンションの断熱リフォーム。とはいえ、施工可能な範囲で断熱性能を向上させることは可能です。
マンションの断熱性にお悩みの方は、ぜひ検討してみてください。

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