リフォームの助成金(補助金)制度とは?適用条件や申請時期をご紹介
リフォームやリノベーションには、助成金(補助金)制度が適用されるケースがあることをご存じですか?
今回の記事では、リフォーム・リノベーションにおける助成金や補助金の基礎知識を解説していきます。助成金(補助金)の種類や適用条件、受け取れる金額、申請の際に気を付けるポイントをチェックし、賢く制度を活用しましょう。
なぜリフォームに助成金(補助金)が支給されるのか
そもそも、なぜ個人が所有しているマンションや戸建て住宅のリフォームに対して国や地方公共団体から助成金(補助金)が支給されるのでしょうか?
その理由は日本の住宅の流通事情にあります。
日本の住宅の流通量は欧米諸国に比べると低い水準にあり、耐震やバリアフリー化がなされないまま空き家になっている住宅が数多くあるのが現状です。
国や地方公共団体は、個人のリフォーム工事費の一部を補助することで良質な住宅を増やし、流通の活発化や国全体の住宅品質の向上を促したいと考えているからです。
ほとんどのリフォーム補助金は、税金で運営されています。そのため、予算や期間が限られており、利用検討する際は以下の点に考慮しましょう。
リフォーム助成金(補助金)の申請に関する注意点
リフォームの着工前に申請する
基本的にリフォーム助成金(補助金)は、リフォームの着工前に申請します。着工してからの申請、あるいは工事完了後に申請をしても受理されない場合がありますので、注意しましょう。
また、予算の上限に達すると締め切られてしまう可能性があります。受付期間中だから大丈夫と言って油断せず、期間中であってもなるべく早めに申請するようにして下さい。
助成金(補助金)が支給されるリフォームの例
それでは、助成金(補助金)の対象となるリフォームとはどのような内容なのでしょうか?ここからは、助成金が適用されるリフォームの例をご紹介します。
バリアフリー・介護リフォーム
助成金(補助金)制度の対象となるリフォームの1つ目は、バリアフリーリフォームです。主な工事内容には以下のようなものがあります。
- 手すりの設置
- 床の段差の解消
- 引き戸への変更
バリアフリーリフォーム時に、最も利用しやすい助成金制度が「介護保険制度」です。
こちらを活用すると、要支援・要介護認定された人が住む住宅をリフォームする場合に、リフォーム費用のうち20万円までについて、かかった額の9割(最大18万円)を補助してもらうことが可能です。
エコ・省エネリフォーム
助成金(補助金)制度の対象となるリフォームの2つ目は、省エネリフォームです。主な工事内容には以下のようなものがあります。
- 窓の断熱化
- 外壁、屋根の断熱化
- 高効率給湯器の設置
- 節水型トイレへの交換
- 高断熱浴槽付き浴室リフォーム
- 太陽光発電システムの導入
- 蓄電池の設置
省エネのためのリフォーム時に申請できる補助金制度で、「高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業」「次世代省エネ建材支援事業」という制度があります。
中でも人気なのが「次世代省エネ建材支援事業」。こちらを活用すると、断熱パネル、潜熱蓄熱建材を使ってリフォームする場合、戸建で200万円、マンションで125万円を上限として費用の5割の助成金(補助金)が支給されます。 「高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業」 の制度については後程説明します。
耐震リフォーム
助成金(補助金)制度の対象となるリフォームの3つ目は、耐震リフォーム工事です。耐震リフォームに関しては、耐震診断も助成金(補助金)の対象となります。
- 耐震診断
- 建物の補強・改修工事
- ブロック塀の解体・撤去
特に、旧耐震基準に基づいて建設された建築物は対象になる可能性が高いです。対象条件や補助金の限度額は地方自治体によって異なります。
リフォームにおける助成金(補助金)制度一覧
それではここからは、リフォーム時に適用される主な助成金(補助金)制度をご紹介していきます。
介護保険
先ほどもお話しした通り、バリアフリーリフォームをする場合に活用できる「介護保険」。介護保険は、各市区町村の保険料と税金によって運営され、全国共通で利用できる制度です。
なお、介護保険の申請をする際には、ケアマネージャーや福祉住環境コーディネーター2級以上の有資格者が作成した「理由書」が必要です。
地域によって、リフォーム工事プランの提出を求められる場合もあります。
この制度では工事費用の7割から9割が支給され、上限は20万円となっています。
高性能建材による住宅の断熱リフォーム・次世代省エネ建材支援事業
先ほどもお話ししましたが、省エネのためのリフォームで申請できる補助金制度です。
一戸建て住宅や集合住宅で、高性能な建材を使用し、断熱リフォームを実施する際に適用されます。断熱に特化した「高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業」、調湿建材も一緒に施工する際に活用しやすい「次世代省エネ建材支援事業」があります。
断熱リフォームの場合、戸建てで120万円、集合住宅の場合は15万円まで、工事費用の3分の1を補助してもらうことができます。
省エネリフォームの場合は、戸建で200万円、集合住宅で125万円を上限として費用の5割以内が支給されます。
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業(経産省ZEH※ゼッチ)
床下冷熱利用等の自然エネルギーを有効活用した工事や太陽光発電の設置など、経産省が提示するZEH(ゼッチ)を満たすためのリフォームを行った場合に適用されるのが「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業(経産省ZEH※ゼッチ)の補助金制度」です。
例えば、断熱リフォーム、床下冷熱利用システムなど自然エネルギーを活用した設計にする工事、高効率給湯器の設置、太陽光発電システムの設置などが該当します。
戸建あたり70万円、定置型の蓄電システムを設置した場合20万円以内の支給があります。
長期優良住宅化リフォーム推進事業
一戸建て住宅や共同住宅において、耐震・省エネなどを含む長期優良在宅化のリフォームを行った場合に対象となるのが「長期優良住宅化リフォーム推進事業」です。
耐震性などを確保したうえで、一定の性能向上を満たす改修を行う場合が対象となり、この制度を活用すると、戸建の場合で工事費の100~250万円/戸までについて、かかった費用の3分の1が支給されます。
助成金(補助金)以外の優遇制度とは?
ここまで助成金(補助金)に関する制度をご紹介してきましたが、リフォームの優遇制度は助成金(補助金)だけではありません。助成金(補助金)以外の優遇制度には、以下のようなものがあります。
- 減税制度
- 金利優遇制度
- 地震保険料の割引制度
リフォーム工事がこれらの対象となる場合、直接費用を負担してもらえるわけではありませんが、かかった費用の一部を税額控除や金利優遇によって取り戻すことができるため、とてもお得な制度です。