ベランダを部屋にリフォームできる?費用相場や注意点について
家族構成の変化や、子どもの成長によって、住居が手狭になってきたと感じている方は多いのではないでしょうか。増築や間取りの変更によって解決する方法もありますが、使用頻度の少ないベランダがあったり、広いベランダを有効活用できていない、という場合は、ベランダを部屋にリフォームする選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。
今回は、ベランダを部屋にリフォームする際の費用相場や注意点について解説します。
ベランダを部屋にリフォームできる?
まず、ベランダを部屋にリフォームすることは可能なのでしょうか?
まず戸建住宅の場合、技術的には実現可能ですが、家の床面積が増える点に注意が必要です。住宅には法規制があり、建ぺい率や容積率に上限があるため、それを超えてしまう場合は施工ができないのです。
また、施工できても固定資産税が上がる可能性があることを頭に入れておきましょう。さらに、ベランダの構造は元々外部に接しているため、防水や断熱などの機能を高めるリフォームが必要となり、費用もかさむケースが高くなります。
そしてマンションについては、基本的にベランダのリフォームは不可と考えておきましょう。ベランダ部分は共有部分にあたり、管理規約で制限されているのが一般的です。
部屋タイプ別の費用相場
ベランダをどのような部屋にリフォームするかによって、費用相場は異なります。以下は、部屋タイプ別の費用相場です。
子ども部屋
広さのあるベランダであれば、子ども部屋へのリフォームも選択肢の一つです。ベランダがあった場所なので、明るい空間となりやすく、子どもにとっても快適な空間となるはず。
子ども部屋にリフォームする場合は、床や壁の断熱対策、窓の防音性強化が必要です。費用は広さなどによって大きく幅がありますが、120万円〜150万円程度が相場。
寝室
寝室も、ベランダのスペースを活用する部屋としておすすめです。6畳程度の広さがあれば快適な空間となりますし、3畳程度であっても、寝るだけの空間として割り切れる方であれば十分使えるスペースとなるでしょう。こちらも断熱対策や防音性の強化が必要で、やはり広さなどによって費用は異なりますが、80万円〜200万円程度が相場と言えるでしょう。
書斎
手狭なベランダであれば、書斎やワークスペースとして生まれ変わらせるのも手です。特にテレワークの頻度が多くなった方は、使わないベランダを有効活用するのを検討してみてはいかがでしょうか。
費用相場は70万円〜180万円程度で、こちらも広さなどで大きく幅があります。
サンルーム
より手頃なのは、ベランダをサンルームにするリフォームです。自然光を活かした明るい空間で、天候に左右されずに洗濯物を干せたり、外の景色を楽しめたり、また子どもの遊び場や家族憩いの場として活用することができます。ガラス張りの空間のため、基本的には断熱性が低い点には注意が必要です。費用相場は50万円〜120万円と、ほかの部屋タイプよりも大きく抑えることができます。
既存の部屋を拡張する場合
既存の部屋を広げるために、ベランダ部分を活用するリフォームも可能です。特に、リビングやダイニングを広げるケースが多く、床の高さ調整や断熱対策が必要です。ある程度大掛かりなリフォームとなるため、費用相場は100万円〜300万円ほど必要です。
注意点
ベランダを部屋にリフォームする際の注意点として、まず法規制があります。床面積が増えることで、建ぺい率や容積率の上限を超えてしまう恐れがあるため、まずは可能かどうかをリフォーム業者に相談するようにしましょう。増築扱いとなるため、建築確認申請と呼ばれる手続きが必要となる場合もあります。
また、ベランダ部分は通常外部に接しているため、断熱や防水対策がしっかりしていないと、雨漏りや湿気の問題が発生する可能性があります。特に冬場の寒さや夏場の暑さを防ぐために、壁や床への断熱材はマストと言えるでしょう。
さらに、リフォーム後にエアコンや照明の設置が必要になる場合があり、これも予算に考慮する必要があります。場合によっては、電気配線の増設も必要です。
加えて、ほかの増築と同様、床面積が増えることで固定資産税が上がる可能性があることも考慮しましょう。
まとめ
今の間取りを活かして居住空間を広げるなら、ベランダを部屋に変えるリフォームはおすすめの選択肢。費用相場や注意点をしっかりと把握し、適切なリフォーム計画を立てることが成功のカギです。